繁忙期真っ只中。複数の諸事情で人員がピンポイントで不足した日のノンフィクション物語。少数での堤防の役目に立たされた彼女達に押し寄せる大きな波。その大きな波を必死で食い止める彼女達の運命の結末は。 タイトルのクリックで、今、その戦いが始まる。(プロジェクトX調で)
秋の紅葉景観を誇る「飯豊町 中津川」。 ここに位置する温泉旅館「白川荘」は、紅葉のこの期間、多くのお客様で賑わう。 しかし、11月某日、人員の不足に悩んでいた。 支配人は、家の法要で、夕方からの出勤。料飲課のエースである主任は、腰痛治療で、休日を余儀なくされていた。さらにアルバイトも都合がつかず、現行のわずかな従業員のみでの対応。 この日ばかりは、従業員の「いたずら4人娘」にいつもの面影はなく、緊張が漂っていた。
【フロント係長】「きょうは、支配人が法要のあとに出勤して下さるそうです。それまで、なんとかがんばって凌ぎましょう」【料飲課 ちー】「ちょっぴり不安だなあ〜、でもやるっきゃないですよね」【調理課 係長】「自分の部署にこだわらないで、お互いにおぎなっていぐべ」【料飲課 係長】「んだね。ずっと前のミーティングで支配人も言ってだよね」以前、ミーティングで支配人はあらゆる事態を乗り切るための心構えを話したことがあった。
2年前のミーティング【支配人】「対応しなければならないことが複数一気に来てしまった時は、それは津波だと思うことだ。津波はいずれ穏やかな元の波にもどる。穏やかな波に戻るまでは集中力と忍耐力の勝負だが、それも津波がとりあえず落ち着くまでのわずかな我慢に他ならない。 津波はいずれ元の波に戻る。お客様の波も同じだ。その一瞬の忙しさだけに惑わされてはならない。」
【フロント 係長】「どんな事態に陥っても、津波と思って耐え、落ち着くまでみんなで凌ぎましょう。」【みんな】「おー」
そして、運命のこの日が始まった。
フロント係長は、支配人の代行で、フロント業務並行で指示を出さねばならない。緊張感をひた隠し、笑顔を絶やさずに行こうと決めていた。着々と業務をこなし、円滑に行う使命の基であるがゆえ、彼女は汗だくであった。
調理課係長は、次々と押し寄せるオーダーの津波を次々と消化し、大きな遅れをとることなく料理を作り上げていた。「動きは最短距離で、用意するものは一気に用意して・・・」時短の基本に忠実であった。
料飲課係長は、清掃の後に宴会対応という強行であったが、穴のない流れを心掛け、時間という津波と戦い続けた。
「料飲課ちー」は、次々と訪れるお客様の津波を、大きな心技体で受け止め続けて接客をこなした。
日中の部が終了し、集まった。【みんな】「ふぅ〜。」
その時であった。「ただいま。戻ったぞ」
【食堂係長】「!」
【料飲課 係長】「!」
【フロント 係長】「!」
【料飲課 ちー」「!」
支配人が、今合流した。【支配人】「さあ、やるか。どんな状況だ?」
【みんな】「・・・・・・。」【支配人】「・・・?」
【みんな】「・・・うっ・・・うっ・・・」【支配人】「ん?」
【みんな】「ううぇぇぇぇぇぇ〜ん、しはいに〜〜ん」緊張の糸が切れたのか、みんな甘え声で泣き出した。
【料飲課 ちー】「がんばりましたよ、みんながんばってやりましたよぉぉぉっ」
【支配人】「こら! これしきのことでメソメソするんじゃない!我々が就いているのは接客業・サービス業だぞ!」【みんな】「・・・はーい」
鬼となり叱咤はしたものの、支配人は彼女らの心境は深く解っていた。支配人は心の中で、こう思っていた。『とはいえ、当然だよなあ・・・。緊張感・重圧・不安は相当のものだったのだろう。しかし、よくまあ、この状況をきりぬけたものだ・・・』
しかし、支配人は再び叱咤し、みんなの気合を入れ直した。【支配人】「まだ、今日は半分しか終わっていないぞ。まだ夜の部がある。今日は満室だ。気を抜いているヒマはないぞ!」
【みんな】「はあ〜〜〜い♪」
まるで、女子高生の部活動のような光景で、各自持ち場へと散った。
そして、夜の部。満室の館内を乗り切り、この日の業務は終了した。
その日の夜、喫茶のカウンターにひとりたたずむ支配人がいた。
支配人は、今日を乗り切った安心感と、みんなの感謝の念が吹き出し、しばらく動けなかったという。『よくこなしきってくれたもんだ。今日を凌げてほんとうに良かった』支配人の目頭が熱くなってきていた。
【支配人】「うっ・・・うっ・・・」
【いたずら4人娘】「うふふ・・・。泣きたいくらい忙しい1日だったけど、いがったね」いたずら4人娘の方が、支配人より1枚上手(うわて)ようである。
昔ながらの景観に位置する「白川温泉 白川荘」。 その従業員同士も「昭和の家族」を彷彿させるような雰囲気を漂わせている。まさに白川荘の来館し易さの源ともいえよう。 従業員達は、今日も頑張っている。
この放画は、ご覧のスポンサーの提供でお送り致しました。次回もお楽しみに。提供:白川荘
本当なら、涙なくしては見られませんとなるところだが。爆笑してしまいました。こんどスタッフ不足のときは、メールください。直ちに、応援に、いきます。(爆)
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秋の紅葉景観を誇る「飯豊町 中津川」。
ここに位置する温泉旅館「白川荘」は、紅葉のこの期間、多くのお客様で賑わう。
しかし、11月某日、人員の不足に悩んでいた。
支配人は、家の法要で、夕方からの出勤。料飲課のエースである主任は、腰痛治療で、休日を余儀なくされていた。さらにアルバイトも都合がつかず、現行のわずかな従業員のみでの対応。
この日ばかりは、従業員の「いたずら4人娘」にいつもの面影はなく、緊張が漂っていた。